SiteBiz Academy

【第9章】マネタイズ (販売) する手段

これまでの学びで、あなたはホームページを制作できる力を身につけました。
次のステップは、そのスキルを 「収入に変える」 ことです。

どんなに素晴らしい技術を持っていても、販売の方法や提供する場所を知らなければ、案件獲得までに膨大な時間がかかってしまいます。
そこで、まず考えるべきなのは サービスの形態(収益モデル) です。

収益モデルの重要性

顧客が購入を検討する際には、デザインや制作スキルだけでなく、サービス提供の形態そのものが重要な判断材料になります。

例えば、ある程度予算に余裕があるクライアントは「20〜30万円程度なら一括で支払う」ケースが多い一方、資金的に厳しい状況のクライアントは「初期費用を抑えたい」ため、サブスク型を好む傾向があります。

売り切り型の特徴

メリット:まとまった金額を得やすい
デメリット:収益が単発になりやすい

サブスク型の特徴

メリット:収益が安定しやすく、長期的な関係を築きやすい
デメリット:継続的な対応が必要になる

ハイブリッド型の特徴

かつては、初期制作費(10万〜100万円)+月額保守費(5,000円〜5万円)といった 初期収益+安定収益を両立できるモデル が主流でした。
しかし、現在ではどのビジネスでも横行しているセリフですが『初期費用無料!』『月額0円!』などで売り出している業者も多く、このハイブリットモデルはあなたが将来的に更なる技術を手にした時でないと難しいと言えます。

ホームページ制作の販売においては、「どんなサービスモデルで提供するのか」を最初に設計しておくことが極めて重要です。
同じ技術を持っていても、売れなければ意味がありません。売り切り・サブスク・ハイブリッドのどれを選ぶかで販売する上での強みも大きく変わり、売れ行きにも影響してきます。

収益モデルの事例

私がこの講座を立ち上げた理由の一つに、「お金を稼ぐ手段を教えてほしい」という相談を多くいただいたことがあります。全員に対応するのは難しかったのですが、数名の生徒にだけ指導しました。その理由は、彼らが真面目で、教えたことを素直に実践してくれたからです。結果として、Aさんは月20〜30万円、Bさんは月10〜20万円、最も成果を上げたCさんは月100万円以上を稼ぐ月もあるほどになりました。
一方で、「自分に合ったビジネスモデルや販売方法が思いつかない…」という方も多いと思います。そこで、収益を作るためのプロセスをステップ形式でご紹介します。

【プロセス①知人に紹介する】

知人との会話の中で「最近ホームページ制作を始めたんだ」と伝え、講座で作ったサイトを見せてみましょう。知人経由で「作ってほしい」「紹介したい」と案件に繋がるケースは非常に多いです。

【プロセス②少額案件を受ける】

最初は経験不足を補う意味で、手間賃程度の案件から始めましょう。無料で受ける必要はありません。本講座で学んだ内容は十分に価値があるからです。
このときの狙い目は「新規ドメインから始める案件」。既存サイトのリニューアルはシステムやメール設定が複雑でリスクが高いため、初心者は避けた方が無難です。

【プロセス③ポートフォリオを作る】

練習で作ったサイトやトップページをスクリーンショットで保存し、ストックしておきましょう。後々オンライン販売に活用できます。

【プロセス④サービス形態を決める】

案件を数件経験したら、オンラインとオフラインでの価格帯を設定します。
オフライン:10ページ程度のサイトで5〜10万円
オンライン:同等内容で3〜5万円
直接会うオフラインは信頼を得やすく、やや高単価でも受注しやすいのが特徴です。

【プロセス⑤オフライン販売】

まずは知人紹介や異業種交流会など、対面での営業から始めましょう。名刺の裏面にサービス内容を簡潔にまとめておくと効果的です。

【プロセス⑥オンライン販売】

経験を積んだら、ココナラなどのスキルマーケットに登録。リンクよりも画像のポートフォリオを掲載する方が効果的です。

【プロセス⑦単価UPとサブ商材】

経験が増えたら、写真撮影などの付加サービスを追加しましょう。例えば「サイト制作+写真撮影」で差別化すれば、単価アップに直結します。

【まとめ】

最初は小さな案件でも、ステップを踏めば必ず成長できます。そして、勉強を続けることで提供できる幅が広がり、単価も収益も上がっていきます。

オフラインで販売する場所

これは主に異業種交流会への参加や、地域毎のビジネスコミュニティになるので、筆者と違う地域の情報は書けないのですが、以下のようなジャンルがあるかと思います。

地域系・商工会系

商工会議所・商工会が主催する交流会
 → 中小企業・個人事業主が多く参加。ホームページ未整備の事業者が多い。

地元自治体や支援機関が開く起業家向け交流会

 → 創業したばかりの人が多く、Web集客に課題を抱えているケースが多い。

 特に飲食店・美容院・士業・小売など 「地域集客を必要とする業種」 に出会いやすい。

業種特化型の交流会

美容・健康・教育関連の交流会
 → 店舗型ビジネスが多く、集客のためにホームページが必須。

士業(税理士・社労士など)の交流会
 → 信頼感が重要なので、自分のサービス紹介ページを求める人が多い。

建築・リフォーム業界の交流会
 → 見積もり・施工事例を掲載するWebサイトが案件獲得に直結する。

起業家・スタートアップ系

女性起業家・ママ起業家コミュニティの交流会
 → 小規模でビジネスを始めたい層が多く、価格感さえ合えば成約に繋がりやすい。

スタートアップや副業コミュニティ
 → 「自分で集客したい」人が多く、LPや小規模サイトの需要がある。

ビジネスマッチング系

BNI(Business Network International)
 → 世界規模の異業種交流組織。会費は高めだが、紹介を通じた案件獲得につながりやすい。

経営者団体(倫理法人会・中小企業家同友会など)
 → 法人経営者層との接点。単価の大きい案件も狙える。

参加先を選ぶ際には、まず 参加者に店舗やサービスを持つ人が多いかどうか を意識すると良いでしょう。集客ニーズがある業種ほどホームページの需要が高く、提案が受け入れられやすくなります。

また、信頼をベースに取引する業界かどうか も重要な判断基準です。士業・医療・教育といった分野では、信頼性の高い情報発信手段としてホームページが欠かせないため、依頼につながる可能性が高まります。

さらに、案件単価が自分のターゲットに合っているか を確認することも大切です。個人や小規模事業者であれば10万円前後、法人案件なら30万円以上といったように、自分が狙う価格帯とマッチしている場を選ぶことで、成約後の満足度も高まります。

最後に、継続的に参加できる場であるか どうかを見極めましょう。一度限りの交流会よりも、定期的に顔を合わせる場のほうが信頼関係を築きやすく、案件獲得に直結しやすくなります。

オンラインで販売する場所

筆者がこれまでに使用してきた登録サイトやサービスを一覧としてお伝えいたします。

初心者ステージ

ココナラ

 小規模案件で経験を積みやすい。ポートフォリオづくりに最適。

クラウドワークス

案件数が多い。まずは低単価でも「実績を見える化」するのに向いている。

目的:まずは「数万円〜10万円前後」の案件で経験と実績を作る。

中級ステージ

ランサーズ

法人案件も多く、信頼性の高い案件が増える。中規模案件で単価を上げられる。

ミツモア

地域の小規模事業者案件を獲得しやすい。オフライン営業と相性が良い。

EMEAO!

顧客ニーズに沿った案件紹介。プロフィールを充実させれば案件が回ってくる。

目的:「10万〜30万円」の案件を安定的に獲得し、継続収益を作る。

上級ステージ

比較Biz

法人からの中〜大規模案件を獲得可能。高額案件に挑戦できる。

アイミツ(PRONI)

コンシェルジュ型で、大手・高単価案件が期待できる。

発注ナビ

要件整理済みの質の高い案件を紹介。提案力・実績重視。

NJSS

官公庁・自治体の入札案件。安定・大規模な案件だが手続きと体制が必要。

目的:「30万円〜100万円以上」の案件を狙い、法人・官公庁案件に挑戦。

上記のような使い方をするのがよいかもしれません。
他にも手段は色々あります。DMです。
私の知人はこれでよく案件獲得しています。余談にはなりますが、その方法をお伝えしますね。その方のやり方はかなり強気で、普通のDMとは違い、クライアントのホームページのダメ出しを箇条書きにし、私ならこれらを〇〇万円で直せます!という内容をお問い合わせフォームから送るという内容です。反感を買うこともかなり多いようですが、これは獲得率が高いそうです。

サービスを増やす

ホームページ制作の知識だけでなく、周辺分野のスキルを身につけることで、より幅広い依頼に対応できるようになります。
例えば、ロゴ制作やデザイン関連の知識を持てば、単にWebサイトを作るだけでなく、

・会社・店舗のロゴデザイン

・名刺やチラシのデザイン

・Web用バナーやSNSアイコン制作

なども同時に請け負えると、サイト制作とセットでブランド全体を任されることがあり、1件あたりの単価を大幅に上げることが可能です。さらに、ロゴやチラシ、バナーなどはCANVAやロゴ生成AIで簡単につくることができます。

また、SNS運用やSNS広告のノウハウがあれば、ホームページ公開後に

・InstagramやX(旧Twitter)での定期投稿代行
・Facebook/Instagram広告の運用設定
・SNSキャンペーン用画像や動画の制作
・アクセス解析に基づく改善提案

といった「集客サポート」まで依頼されるケースが増えます。これにより、単発案件にとどまらず、月額契約や長期契約へと発展させやすくなります。

さらに、**リスティング広告(Google広告など)**を扱えるようになれば、

・キーワード選定
・広告文の作成
・広告アカウントの初期設定
・運用レポートの作成

といった具体的な業務を追加で提供でき、クライアントの「アクセス数を増やしたい」「問い合わせを増やしたい」というニーズに応えることができます。これにより、単なる「制作会社」ではなく、ビジネスを成長させる**「集客パートナー」**として信頼される立場を築け、月額で報酬を頂きやすくなります。

※筆者の場合は、リスティング広告も提供しており、報酬額は『広告費×20%』で頂いております。

そして、店舗ビジネスを相手にする場合はGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の運用サポートが必須です。

・店舗情報(住所・営業時間・電話番号)の最適化
・写真やメニュー、サービスの登録
・投稿機能を使った最新情報の発信
・レビュー(口コミ)への返信サポート

を行うことで、Googleマップ検索での集客力が飛躍的に高まります。ホームページと連動させることで、**「検索 → マップ → HP → 来店」**という強力な導線を作り出せます。
Googleビジネスプロフィールに関しては、『MEO』とも言われ、この作業のみで収益をあげている会社も多数あります。筆者はこれを無料(セット)でクライアントに提供していました。ここでもマネタイズする場合、費用感はココナラ等の出品者の額を参考にすると良いかと思います。

このように、Web制作に加えて ロゴ・デザイン・SNS運用・広告運用・Googleビジネスプロフィール など複数のスキルを掛け合わせることで、依頼の幅が広がり、単発ではなく 継続的かつ安定的な収益 を得られるようになります。

まとめ

ここまで学んだように、ホームページ制作を「収入に変える」ためには、まずサービスの形態を設計し、自分に合った販売スタイルを選ぶことが大切です。売り切り型・サブスク型・ハイブリッド型、それぞれに強みと弱みがあり、どれを選ぶかで収益の安定性や案件単価が変わってきます。

案件獲得は、知人への紹介や少額案件から始め、ポートフォリオを整え、オフライン・オンライン双方で販路を広げていくのが効果的です。そして、ロゴやチラシ、SNS運用、広告、Googleビジネスプロフィールといった周辺サービスを組み合わせれば、単発の収益ではなく、長期的で安定した契約に発展させることができます。

大切なのは、「小さく始めることを恐れない」ことです。最初の1件を経験するだけで、あなたは“ゼロ”から“一”に進みます。その一歩があれば、あとは実績と自信が積み重なり、サービスの幅も単価も自然と広がっていきます。

今のあなたには、すでにホームページを作る力があります。あとは行動に移し、学んだことを現場で試すだけです。必ず次のステージが見えてきますし、「やればできる!」という手応えを掴めるはずです。

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